弘前大学食料科学研究所は,9月28日(水),青函圏の産学官金の関係者ら140名を対象に,青森ワイナリーホテルにおいて「青森フルコース社会実装試験(演奏公演?試食会)」を開催しました。
同研究所は,津軽海峡交流圏を核とした北日本の食を移出?輸出し外貨を稼ぐ「北日本食の成長戦略」を提案し,北日本の食の高付加価値化を目指し,機能性に関する研究を行うとともに,中規模総合大学の強みを活かし,文系,理系,芸術を融合(文理芸術融合)させた食の総合プロデュースによる世界に向けたブランド化を目指した取り組みを行っています。
今回の社会実装試験は,同研究所の趣旨に賛同する青森ワイナリーホテルと共同でレシピ開発を行い,同ホテルでのフルコース導入に向けて,地域の産学官金各団体のトップの他,関係機関の若手,女性職員らを招いて実施したものです。
演奏公演では,凄腕ジャズピアニストと称されるスガダイロー氏が「廃藩置県」をテーマとした自作曲を熱演し,独創的かつ力強い演奏に会場は圧倒されました。次いで青森市の和洋構成ユニット白神が「青森県の四季と食材」をテーマに津軽三味線や横笛,鍵盤楽器による迫力ある演奏と青森の四季を紹介する映像を披露し,参加者は地域の文化?伝統の魅力に耳を傾けていました。試食会では,陸奥湾産ホタテの半成貝やヒラメ,短角牛,ゴボウ,カシスなど青森市産の食材を中心に8品の料理が提案され,華やかな料理の数々に舌鼓を打ちつつ,味や価格設定について慎重に吟味しました。
同研究所と同ホテルでは参加者から集めたアンケート結果の分析を進め,料理の価格面や構成などを検討し,「Farm to Table(生産現場から食卓へ)」をキーワードに食材の研究,商品開発に繋げていくとともに,食材の輸送方法,レストラン経営なども含めた「食の総合プロデュース」による地域貢献活動を進めていく予定です。